駒地真子様ご依頼SSの自由枠その1 龍鍋 ユウ受注

「……というわけでね、森、あなた風紀委員やりなさい」

 森の目の前で腕組みをしていた女性が何気ないように言った。森はどんな制服でもなんなく着こなす先輩はスゴイなぁっと考えていたので少し返事が送れた。

「……え、先輩、何で私が風紀委員なんですか?」

「あら、わりと似合うと思うわよ。いいじゃない」

「でも……」

 風紀委員と聞いて森は銃を持ってソックスハンターと戦うのだろうかと躊躇した。

「ああ、大丈夫よ、風紀委員っていっても登校時の遅刻のチェックだけだから」

「……わかりました。それなら」

 こうして、森は風紀委員になることになった。なんといっても先輩のお言葉である。よっぽどのことがない限りは断れないのである。




 風紀委員の当日の朝、森はいつもよりも早く起きた。昨日に目覚ましを三十分早い時間にセットしたおかげで少し眠いがまぁ、それは想定内である。

「……お弁当作らないと」

 森はお弁当を手際よく作りあげるとハンカチをアイロンにかけて学校へ行く準備を整え終わった。そんな頃になるとやっと弟の茜大介が台所へとやってきた。

「あ、大介、ご飯そこにあるから適当に食べてちょうだい」

「……姉さん、なんだか今日は早いみたいだけど?」

 茜は時計を見て制服姿で登校準備のできた森を見て聞いてきた。いつもよりも早く起きていつもよりも早く出発する様子に気になったのだ。

「ああ、私、風紀委員やることになったから……っていけない、もう時間だ」

 森は慌てて荷物をカバンに入れてバンダナを頭につけると台所を出ていった。相変わらずな慌てぶりに茜は溜息をついた。

「まったく……姉さんはどんくさいったらありゃしないな……第一姉さんはいつもそうだ……第一風紀委員も誰かに頼まれて断れなかっただけじゃないのか」

 茜は森が置きっぱなしにしたハンカチを拾うとブツブツと呟いた。 

「まったく、こんな忘れ物するなんて姉さんは相変わらずドジだ、まったく……」

 茜はハンカチをポケットの中に入れながらブツブツと呟いている。





 森はカバンを持ちいつもより早い時間に登校した。今日は天気もよく、のどかである。森が普段と同じ登校路を通っていると工事中の看板が見えた。

「工事中かぁ、運わるいなぁ」

 森が道を変えて、神社越えルートを向うと、今度は猫の集団を見つけた。猫の数は多く、一体何十匹いるのかと思わせる数であった。

「ニャーニャーニャー」

 猫たちは仲良く石段をのぼっている。どうも神社へ向かっているようであるが、集団で移動しているのでどうも進みにくい。森は猫を踏まないようにちょっとずつ進み始めた。

「えっとごめんなさい。ね、猫さん。と、通してくださいねー」

 森が神社を超えて、学校に着いた時にはもう随分と時間が経っていた。

「い、いそいで準備しないと」

 森は時間を見て慌てて風紀委員として準備を始めた。チャイムが鳴る前に準備を終わらせ、時間を待つ。時折通り過ぎる学生に挨拶をする。


 そして、道の向こうによろけながらやってくる人を見つけたのが始まりであった。


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