駒地真子様ご依頼SSの自由枠その2 龍鍋 ユウ受注

ガラララ!

 保険医をやっているサーラの元にその三人がやってきたのはサーラが朝の連絡会議を追えて保健室へ戻ってすぐであった。

「あら、どーしたのー」

「あ、サーラ先生。駒地さんの治療をお願いしていいですか?」

「すいません、先ほど先生がいなかったので消毒薬で治療したんですけど」

 鈴藤と森の言葉に頷きながらサーラは答えた。

「わかったわー、じゃあ、ケガを見せてもらってもいい?」

 サーラの言葉に駒地が椅子に座るとサーラは検診に入った。

「…………」

 森は治療に入ったサーラの顔をじっくり見るとうーんっと少し悩んでいる様子である。鈴藤はその様子に気づいた。

「森さん、どうかしたの?」

「あ、いえ」

 森は手を振ると、少ししてから言葉を口にした。

「その、知ってる人に声が似てたので……」

 森は言葉を濁らせた。姉妹にしては似てないし、他人の空似かなぁっと考える。

「うん、大丈夫よぉ、これで問題ないわぁ」

 後ろで二人が話している間に治療を済ませたサーラが声をかけた。駒地の足には包帯が巻かれており、二人は目を丸くした。

「え、そんなにひどかったんですか?」


「大丈夫よぉ、運がよかったからぁ」

 サーラの言葉に森が少し安心したのかフーと息を吐いた。

「森さん、ごめんなさい。私が学校に行きたいっていったんです」

 包帯を巻かれた駒地は森の方を向いて言った。

「あ、いえ、そのこっちこそすいません。怒鳴ったりして」

 駒地の言葉に少し落ち着いたのか森はすまなそうな声で答えた。まぁ、別に怒鳴ったわけではないが、大声を出してしまったのは確かである。

「……そこまで学校に行きたかったのはわかりました。……でも、ちゃんと体を大切にしてください」

 森の言葉にイヤ、別に学校に行きたくて来たんじゃないからと鈴藤と駒地の両名は二人して思った。

「あらあら、じゃあ、三人で病院にいってらっしゃい。先生には言っておくわ」

 サーラがにこにこと笑いながら言った。二人してナイスと思った鈴藤と森駒は二人して森の顔を見た。

「えっと」

 なんだか二人からの無言のお願いを感じつつも森は答えた。

「そ、そうですね。じゃあ、病院へ行きましょうか」

 病院へはゆっくりと向かうことになった。もちろん駒地が足を痛めているので、鈴藤と森が手を貸し、ゆっくりと向かったのである。

「そういえば、今日でっかい犬に会ったんだ」

 鈴藤は今日、学校へ向かう道のことを語りだした。

「それでね、夕べ作っていたサンドイッチをね……」

 駒地も話を合わせて話を続ける。もちろん、二人には共通の認識があった。
森さんの前で沈黙を続けるのはよくないと、ということでひとまず今日出会った犬の話をすることにしたのである。


/*/


 結局犬の話で病院へとたどり着いた。


「はい、それでは診察しますね。付き添いの方は待合室で待っててくださいね」

 医者の言葉に慌てたのは駒地。目を光らせたのは鈴藤であった。

「……一緒にいてもらってはいけませんか? その、友達も一緒にいる方が安心するんです」

 もちろん抜け駆け禁止と鈴藤に目で訴えた後、医者にずいっと話しかける駒地。

「あ、ああ、まぁいいですよ。小笠原ですしね」

 医者は駒地が鈴藤を見てたので見事に勘違いをし、了承した。

「森さん、すいません。一緒にいてもらってもいいですか?」

「いいですよ、もちろん」

 鈴藤は少し残念に感じつつも、まぁ今日はケガしてるし、同志だし、何より森と一緒に入られる事に変わりはないのでニコニコである。もちろん駒地もニコニコである。そうして三人は一緒に診察を受けたのであった。




「はい、大丈夫ですよー。骨にも異常なかったし、君、幸運だねー」


 そんな医者の言葉を聞いてほっと一安心した三人は病院の外へ出た。移動や診察で時間がかかりもう昼前である。

「もう、お昼だねー。森さん一緒にいてくれてありがとう。鈴藤さんもありがとう」

「いえ、それよりも異常がなかったので良かったです」

「そうそう、そうだよねぇ」

 病院を出た三人はゆっくりと学校の方へと戻っていく。

「学校に着いたらもう昼休みだよなぁ」

「あ、そっか……」

「……ああ、そういえば駒地さん犬にお昼ご飯取られたんでしたね」

 ちょっと思案する森。

「よかったらお弁当のおかず分けましょうか?」

 今から帰ると売店の商品も売り切れまくっているであろうということを考えての意見であった。

「え、いいの? ありがとうー」

 夢心地な駒地である。ああ、森さんのお弁当、どんなお弁当だろうか。

「うう、俺も欲しいです、森さぁーん」

 鈴藤がウルウル目で森の事を見ている。もちろんうらやましいのである。森さんのお弁当、お弁当、お弁当っと鈴藤の思考は一色であった。

「えっと、じゃあ……学校に帰る前に何か買ってから帰りますか?」

 お弁当のオカズだけでは三人分は足りないので森は別の妥協案を考えたが、今度は駒地もウルウル瞳になった。

「「お弁当のオカズは?」」

「え、ええ、もちろんみんなで」

 二人のウルウル目線に思わず森は答えた。こうしてその日は駒地&鈴藤の森さんお弁当記念日になるのであった。

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